2026-09-13 13:13
『写真集 ミーリィの笑み』(シーゼル・ユリーク)
ミーリィ研究者シーゼル・ユリークが、ミーリィ愛好家のためだけに制作・出版した、ミーリィの頭部写真のみを掲載した異色の写真集。
原書(初版)言語:セレンディール語
著者情報
シーゼル・ユリーク:ラディールの生物学者。ミーリィ研究の世界的権威。その、あまりのミーリィ愛ぶりから「ミーリィの愛人」の異名を持つ。攻撃の瞬間に複数ブレンドされるミーリィ毒の中には、恍惚感を生み出す作用のあるものがあることを証明し(つまり、獲物は苦しんでいない)、また、化学的に再現することにも成功したことで知られる。その毒(恍毒)を利用し、漁業や畜産業、医学での応用を提唱、生物倫理及び医療の分野で大きな貢献を果たしたことで、「ミーリィの有用性」と「ミーリィの優しさ」(本人はこちらの成果を強調している)を証明して、ミーリィ愛好家の喝采を浴びた。
訳注
ミーリィ
群れで獲物を襲う水棲の捕食生物。
背びれが鋭い刃状になっており、上から下に弧を描くように獲物の体に切りつけ、パクッとあいた傷口に、群れで一斉に飛び込んでいき、体内に生きたまま侵入して中から食い荒らすという恐るべき生態から、古代より人類に忌み嫌われてきた。
実際にミーリィの犠牲となった人間の数はそれほど多くないとされているが、数は少なくともその死に様があまりにも壮絶であることから、犠牲となった者の身内などの憎悪は激しく、また、それを伝え聞いた人々もまた同様に、ミーリィを恐れ、嫌悪するようになる、などの悪循環がかつてはあった。そのため、ミーリィに関しては基本的に、ネガティヴな言葉や民話、神話などがほとんどである。
「群禍」と呼ばれることが最も多いが、他にも「常飢」「虐移し」など様々な名で呼ばれてきた。
