『ボフリ乗り ─ ラディール海洋民族の通過儀礼』(キール・レヴィルク)
ラディール大陸の海洋民族の間で、古より連綿と続けられてきた通過儀礼である「ボフリ乗り」の研究書。人生の半分以上をレクール族その他のラディール海洋民族のもとで過ごした著者自らの体験、長老や古老達からの聞き取り、文献調査、そして儀式を実際に乗り越えた者たちへの儀式前と儀式を乗り越えた後のインタビューなどを通し、なぜ、この無謀とも思える危険な儀式が生まれ、それが今なお、続くのか、それを続けさせるものは何なのか、そしてボフリ乗りが、我々に示してくれるものは何か、など多角的な視点からの洞察を与えてくれる名著。
『通過儀礼を終えて ─ ボフリ乗りをやり遂げた勇者たちの言葉』『写真集 ボフリ乗り』に本書を加えた『ボフリ乗り』三部作の第二巻。
原書(初版)言語:ヴェリアート語
出版社:航海書房
著者情報
ヴェリアートの文化人類学者、写真家、料理人。専門は、ラディール大陸の海洋民族の儀式。レクール族を主なフィールドワークの拠点とし、周辺の部族についても調査をした。
自分を親のように慕って助手にもなってくれていたレクール族の青年をボフリ乗りで喪ったことから、ボフリ乗りという儀式を専門として研究するようになった。
ボフリ乗りに挑戦した人々3000人以上へのインタビュー集『通過儀礼を終えて ─ ボフリ乗りをやり遂げた勇者たちの言葉』でヴィーレ・クレグディール賞を受賞、ボフリ乗りやレクール族のファッション、料理などの記録に対して、リーネイク賞を受賞。
訳注
ボフリ
巨大な牙が特徴的な、大型の水棲生物。肉食性で、ソウコウリディンなどを捕食する。
非常に気性が荒く、古から漁師やダイバーに恐れられており、「気性が激しい」「凶暴」「乱暴」の代名詞的存在となっている一方、自分より大きなものにも臆せず向かってゆく様が「勇気あるもの」として讃えられ、勇敢さや強固な信念の象徴として、武器や紋章などのモチーフとされてきた。
良くも悪くも「(性格や信念などが)変わらない」ということのたとえとして用いられることが多い。
生物に関連する300万以上もの膨大なことわざを世界中から集めたディレル・アーティによれば、ことわざの数が最も多い生物は、ボフリであるという。その数、なんと30万以上である。ボフリが、どれほど人類の関心をひいてきた生物であるかが、ことわざからも圧倒的な迫力を以て証されている。
ラディールボフリ
