『ミーリィはすごいぞ』(レダム・リズル)

「悲劇のミーリィ研究者」と呼ばれるレダム・リズルが、当時、人々の憎悪の対象となり、大量虐殺されていたミーリィを何とか救おうと、ミーリィの魅力を伝えるために執筆した本。本書を子どもの頃に愛読し、その影響で生物研究者や生物の保護活動家になった、と公言する人は多い。

解説(「これほどミーリィを愛していた人が他にいるだろうか」)は、ミーリィ毒の中には、恍惚感を生み出す作用のあるものがあることを証明し(つまり、獲物は苦しんでいない)、また、化学的に再現することにも成功したことで知られるミーリィ研究者シーゼル・ユリーク。

原書(初版)言語:レゴール語

出版社:自費出版

著者情報

レダム・リズル:ティルトレーズ出身の生物学者、化学者。ミーリィに惹かれ、ミーリィ研究と保護活動に生涯を費やした。ミーリィの毒は、複数の毒を攻撃時にブレンドするものであるということと、尾の複数箇所に分散した毒腺の存在とそのブレンド・放出の恐るべき精巧な化学的および物理的システムを解明し、当時、世界を震撼させた(事実上、ミーリィの毒への対処が不可能であると確定した為)。

この発見により、皮肉にもミーリィへの恐怖と嫌悪がより強まり(セレンディール文明誕生以前、ミーリィ類はその生態の恐ろしさから、非常に嫌悪され、大量虐殺されていた)、虐殺が余計に強化されたことなどにショックを受け、非常に悲しみ、苦しんだ。そして、『ミーリィはすごいぞ』などのミーリィの魅力を伝える本を執筆・出版したり、ミーリィ保護運動に力を尽くすなどするが、ほとんど効果はなく、ごく一部に熱烈な支援者(主に生物研究者)はいたものの、大勢から非難、罵倒、嘲笑を受けた。それでも必死でミーリィ保護のために活動を続けていたが、徐々に精神的に変調をきたすようになり、自殺をした。このことから、「悲劇のミーリィ研究者」と呼ばれることが多い。

訳注

ミーリィ

群れで獲物を襲う水棲の捕食生物。

背びれが鋭い刃状になっており、上から下に弧を描くように獲物の体に切りつけ、パクッとあいた傷口に、群れで一斉に飛び込んでいき、体内に生きたまま侵入して中から食い荒らすという恐るべき生態から、古代より人類に忌み嫌われてきた。

実際にミーリィの犠牲となった人間の数はそれほど多くないとされているが、数は少なくともその死に様があまりにも壮絶であることから、犠牲となった者の身内などの憎悪は激しく、また、それを伝え聞いた人々もまた同様に、ミーリィを恐れ、嫌悪するようになる、などの悪循環がかつてはあった。そのため、ミーリィに関しては基本的に、ネガティヴな言葉や民話、神話などがほとんどである。

「群禍」と呼ばれることが最も多いが、他にも「常飢」「虐移し」など様々な名で呼ばれてきた。